データが示すこと、示さないこと

フランス語と英語が職場で占める位置は、職場環境によって異なります。カナダ統計局の2つの情報源からその様子を知ることができますが、両者が測定している内容は同じではありません。

指標 結果 対象者と期間
モントリオール大都市圏で、職場においてフランス語と英語を定期的に使用 38.3% 就業中の労働者、2021年国勢調査
モンクトン大都市圏で、職場において2言語を定期的に使用 28.0% 就業中の労働者、2021年国勢調査
カナダでフランス語・英語のバイリンガル能力を必要とする職 約7.9% 2022年調査の対象事業所
ケベック州でバイリンガル能力を必要とする職 約25.6% 同調査の対象事業所
ニューブランズウィック州でバイリンガル能力を必要とする職 約18.5% 同調査の対象事業所

これらの数値は過去の参考値であり、現在の労働市場を測定したものではありません。前半の数値は労働者が使用する言語を示しており、職務上の要件を示すものではありません。後半の数値は、調査対象事業所の職について申告された推定値です。求人中の職だけを対象としているわけでも、公的部門・民間部門のすべての雇用を対象としているわけでもありません。この調査には非営利団体が含まれますが、公共サービス、教育サービス、病院などは対象外です。

2つの言語を定期的に使うことは、両方を同じ程度使うことを意味しません。モントリオール大都市圏では、2021年に労働者の70.0%が主にフランス語を、21.0%が主に英語を、8.3%が両方を同程度に使用していました。これらの区分を足しても38.3%にはなりません。主にフランス語で働きながら、英語も定期的に使う人がいるためです。

何より、これらのデータから、新卒者の採用や給与に対する授業言語の因果的な影響は分かりません。そのため、フランス語と英語の学位を就職の可能性に基づいて順位付けすることはできません。

希望する仕事を起点に考える

州だけを基準に学ぶ言語を選ぶ前に、関心のある職種と地域に合う求人をいくつか探してみましょう。希望がまだ定まっていない場合は、異なる2つの職種を選び、それぞれ別に調べます。

求人ごとに、次の点を書き留めてください。

  • 必須とされる言語と、あると望ましいとされる言語
  • 実際に行う業務:文書を読む、文章を書く、会議に参加する、顧客とやり取りするなど
  • チームやサービスの対象者が使う言語についての記載
  • 求められる証明があればその内容と、その他の重要な資格

公式にはバイリンガル能力を求めない職でも、第二言語が評価されることがあります。反対に、地域で2つの言語が使われているからといって、すべての職で両方が必要とは限りません。重要な業務の言語が求人に記載されていない場合は、勤務地から推測するのではなく、雇用主に確認してください。

次に、こうした要件と現在の能力を比べます。たとえば、ある言語の文章は理解できても、口頭で問題を説明することにはまだ自信がないかもしれません。この違いを踏まえて、学習先の選択や在学中の練習方法を考えられます。

仕事で使うバイリンガル能力を技能ごとに考える

「私はバイリンガルです」と言うだけでは、それぞれの言語で何ができるのかは十分に伝わりません。書かれた指示を理解し、分かりやすいメッセージを書き、会話についていき、予想外の質問に答えられるでしょうか。必要な能力は職務内容によって異なります。

カナダ連邦公務員委員会は、この違いを理解するうえで参考になる例を示しています。連邦公務員では、言語要件は職によって異なります。バイリンガル職では、読解、作文、口頭でのやり取りについて、求められるレベルが職務プロフィールに明記されています。この枠組みは連邦公務員に適用されるものであり、民間雇用主に共通する規則ではありません。

自分の進路を準備するには、最も不得意な言語で仕事上の業務を1つ選び、練習してみましょう。自分の分野に関係する短い説明文を読み、要約してから、声に出して説明する方法があります。目的は、実際には持っていないレベルを装うことではなく、すでにできることと、これから伸ばす必要があることを把握することです。

コース名だけでなく、学習内容を比較する

主に1つの言語で学ぶ課程では、その言語で専門分野の語彙を身に付けられることがあります。もう一方の言語でも働きたい場合は、関心のある業務をその言語で練習する機会があるかを確認してください。学位の言語、実際に仕事をする能力、職務上の要件は、それぞれ異なるものです。

2つの課程を比べる際は、各教育機関に同じ質問をしてください。

確認する項目 確認に役立つ質問
必修科目 課程の修了まで、どの言語で受講できますか?
評価 レポート、発表、試験はどの言語で行う必要がありますか?
インターンシップ(実施される場合) 業務や指導はどの言語で行われる可能性がありますか?
第二言語 専門分野の語彙を学び、実際に使う機会はありますか?
入学 この課程と入学時期について、どのような語学証明が必要ですか?

授業についていき、自分の知識を示せる言語を選ぶことも大切です。就職の計画を立てるときも、まず課程そのものを修了するための条件を忘れないでください。

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大学とプログラム:イマージョンの例

オタワ大学(University of Ottawa / Université d’Ottawa)のフランス語イマージョン・プログラムは、すべてフランス語で学ぶ方法と、すべて英語で学ぶ方法の中間的な選択肢です。英語で行われる一部の学部課程に追加する形で、学習の一部をフランス語で受けられます。

この制度は、中等教育をフランス語以外の言語で受け、第二言語としてのフランス語教育を受けた人を対象としています。また大学によると、志願者は英語の要件を満たし、フランス語の上級レベルを示さなければなりません。そのため、完全にフランス語で行われる課程ではなく、すべての課程や語学プロフィールの人が自動的に参加できる制度でもありません。

希望する入学時期について、対象となる課程と条件を大学に確認してください。海外で学んだ場合や、フランス語で学校教育を受けた場合は、この選択肢を決める前に、自分が対象となるか大学に確認しましょう。StudyCanadaの紹介ページは大学について説明するものであり、選択した課程に関する情報の代わりにはなりません。

ケベック州以外でフランス語による学習機会を広く探すには、英語圏カナダでフランス語で学ぶ:実際に選べる方法もご覧ください。

卒業後:技能と就労許可は別のもの

カナダ留学後にカナダで働くことを考えている留学生にとって、選んだ言語だけで卒業後就労許可の取得資格が決まるわけではありません。カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)は、資格のある教育機関から学位を取得しても、自動的に許可の対象になるわけではないと明記しています。

2026年11月7日に確認した条件によると、IRCCはほとんどの申請者に公用語の語学証明を求めています。現在の語学規則の対象となる学士号、修士号、博士号取得者に示されている基準は、4技能それぞれについてフランス語または英語のレベル7です。バイリンガル能力を求める条件ではありません。IRCCは、2024年11月1日より前に提出された卒業後就労許可の申請などについて、例外を設けています。

学位、プログラム、日付によって、ほかの条件も適用されます。ここでの情報は一般的なものです。自身の状況と申請時点で有効な規則について、IRCCに確認してください。語学試験の結果、学位、許可のいずれも、就職を保証するものではありません。

判断するための計画

将来のすべてを予測しなくても前に進めるよう、簡単な比較表を作りましょう。

  1. 職種と地域をいくつか選びます。 求められる言語と、それぞれの言語で行う業務を確認します。
  2. 2つの課程を比較します。 必修科目、評価、実施される場合はインターンシップの言語と、入学条件を書き留めます。
  3. 具体的な課題を1つ特定します。 たとえば、英語で口頭でプロジェクトを説明することや、フランス語で仕事上の文書を書くことです。
  4. 正直に説明できる例を用意します。 授業、プロジェクト、経験を、能力を誇張せずに示す材料として使えます。
  5. 必要に応じて、許可の条件を別途確認します。 移民に関する条件は、入学要件にも雇用主の要件にも代わるものではありません。

学習では最も得意な言語を優先しながら、もう一方の言語を伸ばす計画を立てることもできます。その後、英語で応募する準備をするには、実際の経験に焦点を当てた英語の履歴書と面接のガイドをご覧ください。