GMACの採用担当者調査を読む

Graduate Management Admission Council(GMAC)は、毎年、採用担当者を対象とした調査を公表しています。2025年7月に公表された2025年版は、2025年1月から3月に収集した、1,100人を超える採用担当者および採用責任者の回答に基づいています。この調査によると、現在の職務でも将来の職務でも、人工知能ツールを使いこなす能力は1年前より高く評価されています。

学部長向けの要約によると、雇用主の大半は、新しい技術によってビジネス感覚がより一層求められるようになっているため、経営教育で得られるスキルの価値が現在はより高まっていると考えています。また、リモート勤務やハイブリッド勤務の環境では、こうしたスキルがさらに重要になるとも考えています。

GMACはビジネススクールに関係する団体で、GMAT試験を運営しています。その調査は信頼に足るものですが、同団体には需要が引き続き強いことを示す利害もあります。要約より踏み込んで理解するには、採用意向の数値を掲載した調査報告書の全文を読む必要があります。

調査で示されていない情報を確認する

この記事のために参照したページには、MBA修了者の採用を予定している雇用主の割合も、初任給の金額も掲載されていません。GMACは、米国のMBAおよび経営分野の修士課程の修了者について、2025年の初任給が名目額でも実質額でも2024年を上回る見込みであると述べるにとどまり、要約では金額を示していません。

こうした数値の欠如は重要です。金額を伴わない「給与上昇」という表現を読んでも、学生には、もとの給与水準や、どのような雇用主についての話なのかが分かりません。各校は給与の中央値を含む就職報告書を公表していますが、回答者の割合、通貨、賞与を含むかどうかなど、集計方法は異なります。

学校が平均給与を提示している場合は、中央値、回答率、希望する業界で働いている修了者の割合を尋ねる必要があります。また、その金額に賞与や入社一時金が含まれるかどうかも確認すべきです。これらは初年度の報酬の大きな割合を占めることがあり、繰り返し支給されるものではありません。

雇用統計の中でMBAを位置づける

米国労働統計局(BLS)は、2か所でMBAに言及しています。経営幹部については、大企業の経営幹部が経営学修士号を取得している場合があるとしています。ただし、就業時に一般的に求められる学歴は学士号であり、それに加えて豊富な経験が必要です。この職種の雇用は2025年から2035年にかけて5%増加すると予測されており、2025年5月の給与中央値は108,780米ドルです。

経営アナリストについては、BLSは同じ期間に10%の雇用増加を予測しており、2025年5月の給与中央値は101,860米ドルです。就業時に一般的に求められる学歴は学士号であり、一部の雇用主はMBA取得者を優先するとしています。

これらのデータは、MBAが雇用主によっては強みになるものの、就業のための一般的な必須条件ではないことを示しています。また、対象としているのは職種全体であり、MBA修了者ではありません。

職種の特徴を表で比較する

次の表は、MBAに言及しているBLSのデータをまとめたものです。学位が給与に与える影響を測定したものではありません。中央値は、それぞれの職種に就くすべての人を対象としています。

職種(米国) 2025~2035年の雇用増加率 給与中央値、2025年5月 BLSによるMBAへの言及
経営幹部 5% 108,780米ドル 大企業の経営幹部が取得している場合がある
経営アナリスト 10% 101,860米ドル 一部の雇用主が優先する

「取得している場合がある」と「優先する」の違いを読み取ることは有用です。どちらについても、BLSはMBAが必須であるとは述べていません。希望する地域や業界の実際の求人情報からは、全国平均よりも詳しい情報が得られます。経営幹部については、BLSも経験を重視しています。この職種では、学位は補完的なものであり、就業への鍵ではありません。

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学習形態を選ぶ

各校は、1~2年間のフルタイム、夜間や週末のパートタイム、エグゼクティブ向け、オンライン、ハイブリッドなど、複数の学習形態を提供しています。それぞれの形態に適した学生像は異なります。

フルタイムでは学習に専念でき、卒業生とのつながりをより密に築くことができ、多くの場合はインターンシップも経験できますが、収入の中断が伴います。パートタイムでは仕事を続けながら授業の内容をすぐに実務に生かせますが、修了までの期間が長くなります。エグゼクティブ向けプログラムは、すでに経験を積んだ人を対象としています。オンラインプログラムでは移動費を抑えられます。

参照した資料には、これらの学習形態間で就職実績を数値比較した情報はありません。各校にプログラムごとの統計を求め、そのデータが希望する学習形態に対応していることを確認する必要があります。

代替の選択肢を検討する

管理職への道はMBAだけではありません。金融、オペレーション管理、マーケティング、ビジネス分析の専門修士課程は、特定の職務により直接的につながり、多くの場合、所要期間も費用も抑えられます。専門資格によって、すでに取得している学位を補完することもできます。雇用主が費用を負担する目的を絞った研修を受け、社内で昇進することも一般的です。参照した資料のいずれも、こうした進路とMBAの就職実績を比較していません。そのため、具体的に目指す職務に基づいて選ぶことになります。

判断に役立つ質問は次のとおりです。

  • 希望する職務ではMBAが必須ですか。それとも優遇されるだけですか。
  • 希望する企業ですでにその職務に就いている人は、どのような学位を持っていますか。
  • 現在の雇用主は教育費を負担しますか。
  • 総費用(授業料、失われる収入)のうち、どの程度が経済的支援で賄われますか。

進学を決める前に総費用を計算する

MBAの費用には、授業料だけでなく、フルタイムでの在学中に失われる給与、住居費、移動費、借り入れをする場合の利息も含まれます。参照した資料には、国の間で比較できる平均費用は掲載されておらず、金額は学校によって大きく異なります。

簡単な計算方法は、これらの費用を合計し、希望する職務と地域に固有の給与データを使って、その職務で現実的に見込める収入増と比較することです。費用の回収期間が数年を超える場合は、リスクが高くなります。

留学生の場合は、移民手続きにかかる費用に加え、修了後に滞在して働く権利の不確実性も費用面で考慮する必要があります。この権利は、変更される可能性のある規則によって左右されます。

カナダではどうか

カナダの複数の大学が、フルタイム、パートタイム、エグゼクティブ向けなど、さまざまな形態でMBAを提供しています。ビジネススクールは入学要件、費用、場合によっては就職報告書を公表しています。留学生の授業料は一般的に居住者より高く、各教育機関のプログラムページに掲載されています。

StudyCanadaでは、トロント大学(University of Toronto)のRotman School of ManagementのMBAや、マギル大学(McGill University)の共同エグゼクティブMBAなどを紹介しています。実務経験や入学試験に関する要件は、各プログラムのページで確認できます。複数のプログラムがGMATまたは同等の試験を受け付けており、数年間の実務経験を求めるプログラムもあります。これらの要件は一律ではないため、プログラムごとに確認する必要があります。